みんなのBIWAKO会議参加レポート|MLGsを知っていますか

滋賀県が取り組むSDGs、マザーレイクゴールズ(略してMLGs)をご存知ですか。

最近の調査では滋賀県民の70%が知らないと答えたそうです。私の周りの人に尋ねても「知らない」と言う人が沢山いました。それだけまだまだ浸透していないMLGsですが、とても素晴らしい取り組みをしています。

MLGsとはどんな取り組みか、そして先日開催された「MLGsみんなのBIWAKO会議」の内容についてレポートしていきたいと思います。

目次

MLGs(Mother Lake Goals)とは

MLGsは滋賀県が掲げる 「琵琶湖版のSDGs」です。
琵琶湖を「Mother Lake(母なる湖)」と呼び、琵琶湖と人々の暮らしを守りながら、持続可能な地域社会を目指すための 13の目標 が設定されています。

  • 背景:SDGsを滋賀に合わせて具体化し、地域に根ざした行動指針に。
  • 内容:琵琶湖の水質保全、生物多様性の保護、気候変動対策、資源循環、教育や文化継承、誰もが安心して暮らせる社会づくりなど。
  • 特徴:行政だけでなく、住民・企業・団体が一緒になって取り組むのが前提。

つまりMLGsは、琵琶湖を軸にした滋賀独自の13の目標で、地域の未来を守るためのガイドラインです。

合わせてよみたい
琵琶湖のSDGs版「MLGs(マザーレイクゴールズ)」を知っていますか | Saricoとエシカル

みんなのBIWAKO会議/COP4

2025年8月27日、滋賀県立芸術劇場びわ湖ホール中ホールでみんなのBIWAKO会議/COP4が開催されました。

「みんなのBIWAKO会議」は、滋賀県が主催する対話型イベントで、MLGs(Mother Lake Goals)の推進を目的としています。行政や企業、NPO、市民など立場を越えた多様な人々が集まり、琵琶湖の未来について意見を交わし、共に取り組むためのアイデアを生み出す場となっています。

今年は滋賀県が呼びかけて国連で制定された「世界湖沼の日」の8月27日に合わせて開催され、特別なプログラムもありました。

昨年の参加レポート
【大津市】琵琶湖のSDGs版「MLGs(マザーレイクゴールズ)」活動報告イベントレポ!司会はあの方(Sari) – エキスパート – Yahoo!ニュース

今年も司会は滋賀県といえばの川本勇さん。軽快なトークで場を盛り上げてくれました。プログラムは大阪万博の滋賀県ブースや、同じく大きな湖沼がある鳥取県と島根県の知事と中継をつなぐなど、盛り沢山の内容で進みました。

シン・びわ湖なう2025報告

プログラムの最初に、滋賀県が進める MLGs の進捗をまとめた年次報告が行われました。

総合評価では、多くが「悪くはない」一方、漁業・生物多様性・文化など4分野は「悪い」と判定。特に鮎不漁が深刻で、気候や環境要因が影響しているとされ、健全な循環と文化継承、地域参加の重要性が強調されました。

報告では特に、Goal2「豊かな魚介類を取り戻そう」・Goal6「森川里湖海のつながりを健全に」・Goal7「びわ湖のためにも温室効果ガスの排出を減らそう」について、担当の学術委員の方から詳しい報告がありました。

Goal2「豊かな魚介類を取り戻そう」

Goal2では、琵琶湖の代表的な水産資源である鮎の漁獲量減少について報告されました。特にビワコオオアユは、普通の鮎と遺伝的にも生態的にも大きく異なる存在ですが、堰や環境変化により遡上や産卵が阻害され、激減しています。コアユも餌の減少や捕食者の影響など複合要因で減少が続いており、人間が関与できるのは産卵場所の保全・再生と漁獲調整です。さらに、オオアユを増やすことがコアユ資源の安定につながる可能性が示されました。

Goal6「森川里湖海のつながりを健全に」

Goal6では、森・川・湖のつながりを活かした資源保全の取り組みが報告されました。二ゴロブナが産卵できる伝統的な水田や、魚道整備によるビワマスの増加、明治時代からの植林による豊かな森など、琵琶湖の生態系を支える仕組みが紹介されました。一方で、再エネ施設や上流域からの土砂流出が琵琶湖へ悪影響を及ぼす懸念も指摘され、産卵場の保全やグリーンインフラの強化が重要であることが強調されました。

Goal7「びわ湖のためにも温室効果ガスの排出を減らそう」

ゴール7では、滋賀県の温室効果ガス削減と再生可能エネルギー導入の現状が報告されました。CO2排出は減少傾向にあるものの、2030年目標達成には減少速度が不十分であり、再エネ普及も大型メガソーラー依存が目立ちます。県内発電の約45%は県外事業者が担っており、地域経済循環への課題も指摘されました。再エネは温暖化対策や災害時の強みを持つ一方、環境負荷や地域利益を考慮した導入が重要であると強調されました。

MLGs活動報告

MLGs案内人幹事の三和伸彦さんによるMLGs(マザーレイクゴールズ)活動報告では、滋賀県を中心に個人・団体・企業1875件がMLGsの活動に参加し、講演212回やワークショップ144事業・8624名参加など、地域・教育・国内外で幅広く展開したと報告がありました。ロゴマークの活用や動画教材、小中学校や海外学習、国際シンポジウムへの参画などで琵琶湖のSDGsを発信し、地域や未来世代への環境意識醸成を進める取り組みが紹介されました。

トークセッション

午後から行われたトークセッションでは、コメンテーターに三日月大造(滋賀県知事)氏、ゲストパネラーに田中律子(俳優・タレント・NPO法人アクアプラネット代表)さん、パネラーとして国定 勇人(国土交通大臣政務官)氏、勝目康(環境大臣政務官)氏、井手慎司(滋賀県立大学学長・MLGs推進委員)氏、村田弘司(滋賀経済同友会常任幹事・株式会社日吉相談役)氏、伊藤みき(MLGs広報大使・元モーグル五輪選手・MLGs体操発案者)さん、三和伸彦((社)北の近江マザーレイク共創会議代表理事・MLGs案内人幹事)氏が登壇しました。

琵琶湖の環境保全と未来へ向けた挑戦

トークセッションでは、琵琶湖の水資源と環境保全の現状が報告されました。近年、琵琶湖の表面と底の水が季節に一度入れ替わる「全層循環」が起こらず生態系に影響が出る年があり、外来種の増加や固有種の減少、さらにはシカによる食害や土砂流出が水質に影響していることが指摘されました。一方で、水草を肥料に活用する取り組みや、琵琶湖の農漁業システムが世界農業遺産に認定されるなど、持続可能な利用の試みも広がっています。湖周を巡るサイクリング「滋賀リズム」や治水事業による洪水対策など、人と湖の新しい関わりも進められています。

世界湖沼会議では、高校生たちが国際会議で発表や交流を経験し、環境問題への理解を深めました。また、「Rキッズ研究会」の小学生たちはマイクロプラスチック調査やマイ容器利用の推進を進め、地域に変化を広げています。さらに中海や宍道湖など全国の湖沼とも連携し、世界湖沼の日に合わせて47都道府県で共同メッセージを発信しました。

環境保全は「義務」ではなく「楽しみながら続けること」が大切だと強調されました。子どもから大人まで幅広い世代が参加し、自然体験や学びをつなぐことで、琵琶湖をはじめとする湖沼の価値を未来へと伝えていく取り組みが広がっています。

MLGs体操「世界湖沼の日特別バージョン」

トークセッションの後には「MLGs体操」のパフォーマンスがありました。琵琶湖周航の歌のメロディに合わせMLGsを「からだ」で表現する体操として考えられたユニークな体操で、一度見たら忘れない印象的な体操です。この日は「世界湖沼の日特別バージョン」としてチャンバラ劇があったりバンド演奏があったりと楽しいパフォーマンスでした。

どんな体操なの?と気になった方に、MLGs体操の一般に公開されている動画をご紹介しますのでぜひ見ていただければと思います!

つながるブースセッション

会場の外では、琵琶湖の保全や自然環境保護を目的とした活動団体のブース出店があり、プログラムの最後に大交流会が開催されました。参加者の皆さん真剣に各ブースの発表を見たり活発に質問したりしていました。

自然保護活動団体POWのスノーボードを愛するお二人
Rキッズの発表
海と日本プロジェクトしじみ調査隊
BIWAKOTORIの流木バードアスレチック

みんなで取り組むMLGsへ

イベントの最後はブース出店者がステージにそろって上がり、想いをパネルに書いたものを順に発表して、司会の勇さんが和やかに会をまとめて締めくくられました。

今回のMLGsみんなのBIWAKO会議もとっても充実した内容で有意義な1日でした。琵琶湖をとりまく環境の現状が深く知れましたし、子どもから大人まで様々な取り組みを知ることができました。官民学が連携して取り組むことも大事ですし、まずは市民にもっとMLGsのことを知ってもらうことも大切だと思いました。
私の発信もその一助になっていければと思います。

この記事が気に入ったら
フォローしてね!

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次